AWS(1)AWSの概要とメリット

クラウドとは

クラウドとは、従量課金でWEB上からオンデマンド提供されるITリソースである。

AWSのメリット

AWSのメリットは、先行投資となる先行投資資本となるインフラコストを、ユーザのビジネス拡大にあわせた低額の変動費に移行できることである。また、スケールによる大きなコストメリットを享受することが可能で、自社環境よりも低い低額コストを実現できる。スケールアップおよびスケールダウンがわずか数分で実現できることから、キャパシティーの推測が不要となる。1クリックでITリソースを手に入れることが可能となるため、リソースを用意する時間が大幅に短縮され、組織の速度と迅速性が向上する。またこれらのことから、ユーザはデータセンターの運用や保守への投資が不要となり、ビジネスを差別化するプロジェクトに集中できる。また複数のリージョンに簡単にデプロイできることから、グローバル化も容易である。

グローバルインフラストラクチャ

リージョン

リージョンとは、世界中の物理的場所であり、リージョンに複数のアベイラビリティゾーン(AZ)が配置される。他のリージョンとは完全に分離されている

アベイラビリティゾーン(AZ)

独立したデータセンターで、冗長性ある電源とネットワーク、接続性を実現している。洪水の影響が及ばない場所に設置され、複数のTier1プロバイダに接続されている。各AZ間は低遅延リンクで接続されている。

サービス

AWSの各種サービスには、次の3つのサービスレベルがある。

種類 サービスの例
AZサービス EC2, RDS, ELB, ElastiCache
リージョンサービス S3, DynamoDB, SQS
グローバルサービス IAM, Route 53, Cloudfront

AWS導入の道のり

AWSを導入するためには、まず調査を行う。移行対象は非クリティカルなアプリケーションとし、セキュリティとユーザロール、VPCをセットアップ、開発/テスト環境をデプロイする。次に本番環境へアプリケーションを移行し、分析ワークロードをデプロイする。

本番環境に移行後に検討チームを結成し、プラットフォームの検討とAWSを拡張を行う。また、IT戦略を見直しクラウドに一致させる。また、DevOpsの導入オートメーションとコードリファクタリングを行う。

ベストプラクティス

AWSでは、オンプレミスとは異なるベストプラクティスが存在する。

  1. 故障に備えた設計で障害を回避
  2. コンポーネント間を疎結合で柔軟に
  3. 伸縮自在性を実装
  4. 全ての層でセキュリティを強化
  5. 制約を恐れない
  6. 処理の並列化を考慮
  7. さまざまなストレージの選択肢を活用

APNパートナーに提供されるサービス

APNパートナーは、AWSを導入する企業をサポートすることができる。APNパートナーには以下のツールが提供される。

AWSクイックスタート

人気の高いソリューションの AWS へのデプロイを支援するために、AWS ソリューションアーキテクトおよびパートナーによって構築されたもの

AWS コンピテンシープログラム

習熟した技術を持ち、専門的なソリューションエリアでお客様を成功させられることを実証した APN パートナーに付与

AWS Marketplace

AWSに最適化されたITおよびビジネスソフトウェアのカタログ

費用

AWSの費用体系は従量課金である。どの程度費用が掛かるかは簡易見積もりツールで計算できる。

総所有コスト

オンプレミス環境とクラウド環境の費用を比較する場合は、総所有コスト(TCO)を比較する必要がある。これは、購入と運用、撤去と廃止、機会コスト、サーバ、ストレージ、ネットワーク、人件費、機会コストなどを含む。施設のデフォルトコストは1ラックあたり月25万円+電気代とAWSでは考えている。総所有コストを計算し正しくオンプレミス環境とクラウド環境の費用を比較するためには、TCO計算ツールを利用する。

 

AWS EC2(1)EC2の概要

EC2(Elastic Compute Cloud)とは

EC2は、クラウド内で規模の変更が可能なコンピュータ処理能力を提供するウェブサービス。様々な種類の仮想サーバを起動し、Webコンソールやターミナルから操作することが可能である。

リージョンとアベイラビリティーゾーン

東京リージョンは、コード名:ap-northeast-1、名称:アジアパシフィック(東京)である。AWS SDK for Javaなどは、デフォルトのリージョンがバージニア州(us-east-1)に指定されていることに注意が必要である。すべてのインスタンスを 1 か所でホストしている場合、同じ場所にあるインスタンスすべてに影響する障害が起きたときに、インスタンスがすべて利用できなくなるため、複数のアベイラビリティゾーンにインスタンスを分散配置することが望ましい。

インスタンスを起動するときは、同じリージョン内にある AMI を選択する必要がある。AMI が別のリージョンにある場合は、これから使用するリージョンに AMI をコピーできる。異なるアベイラビリティゾーンにインスタンスを移行したい場合は、AMIを作成し、このAMIを用いて希望するアベイラビリティゾーンにインスタンスを生成する。

アベイラビリティーゾーンは、各アカウントの識別子に個別にマッピングされる。つまり、アカウントAのap-northeast-1aと、アカウントBのap-northeast-1aは、同じアベイラビリティゾーンを指していない場合がある。また、各アカウントごとに指定できるアベイラビリティゾーンの使用が制限され、アカウントによってリージョン内で使用できるアベイラビリティーゾーンの数が異なる場合がある。

リージョンとアベイラビリティーゾーンに関する概念

インスタンスファミリー

利用用途に合わせて様々なインスタンスの種類が存在する。

カテゴリ 名称 特徴/用途
汎用 M4 通常用途
バーストパフォーマンス T2 普段は殆ど負荷がないが一時的に負荷がある 開発機、小規模システム
コンピューティング最適化 C4 CPU性能が必要な用途 APサーバ、画像処理
メモリ最適化 R3 コアあたりのメモリが大きく大量のメモリが必要な用途 DBサーバ
ストレージIO最適化 I2 高速なIOPSを実現するSSDを内蔵 DBサーバ、ビッグデータ
ストレージ密度最適化 D2 大容量HDDを内蔵 DBサーバ、ビッグデータ
GPUインスタンス G2 GPUコアが必要な用途 グラフィック表示、画像処理

IP

  • Elastic IP
    • 明示的に割り当てられたIP。使用していないと課金される
  • Public IP
    • ランダムに割り当てられるPublic IP
    • EC2をStop/Startすると別のIPが割り当てられる
  • Private IP
    • 必ず割り当てられるIP
    • EC2をStop/Startしても同じIPが割り当てられる

Amazon Linux

デフォルトユーザはec2-user、sudo権限が付与されている。