AWS Elemental MediaTailor
AWS Elemental MediaTailor を使用すると、 ビデオストリームにターゲット広告を挿入 することができる。動画や湖国のストリーム全体をブロードキャストレベルの動画品質で配信するため、快適な視聴を実現できる。また、 クライアントとサーバ側両方の広告配信メトリクスに基付いてレポートを自動的に生成する ため、広告のインプレッションや視聴者の行動を正確に計測できる。ターゲット広告を設定可能で、条件を設定 すると、パーソナライズされた広告コンテンツが 広告決定サーバ(ADS) よりフェッチされる。MediaTaiorを用いると 広告と動画ストリームが同じ品質で配信できる 。
また、 チャンネルアセンブリ 機能も提供している。これは、既存のVODコンテンツを仕様してストリーミングチャンネルを作成でいるサービス。チャンネルアセンブリを使用することで、ストリーム広告ブレークを挿入して、チャンネルの収益化を実現できる。
特徴
各ビューアに固有にマニフェストファイルを生成することで、動画を配信する前に、リクエストされたストリームの開始位置に広告コンテンツを挿入(サーバ側の広告挿入)できる。HLSとDASH、CMAFをサポートしており、さまざまなデバイスやプレイヤーで表示できる。視聴デバイスにデプロイされた再生監視APIを用いることで、クライアント側からの広告の測定が可能となり、Interactive Advertising Bureau (IAB) に準拠した再生メトリクスを実現している。これらのシステムは、 同時視聴者数によって自動的にスケール する。
料金
動画ストリームに挿入された 広告件数に基づいた料金 。広告をトランスコードする場合には、 トランスコードに対しても課金 される。広告セグメントやマニフェストファイル等がインターネットやCDN経由で配信される場合には、 広告配信料も発生 する。
広告挿入の仕組み
広告挿入は以下の手順で行われる。
プレイヤーやCDNが、パーソナライゼーションに使用するためのビューア情報等のパラメータを含んだリクエストをMediaTailorに送信する。
MediaTailorは、オリジンサーバにマニフェストファイルを、ADSにVASTもしくはVMAPを用いて、広告URLをリクエストする。
MediaTailorは、マニフェストファイルの書き換えを行う。
MediaTailorは、パーソナライズされたマニフェストファイルをCDNもしくはプレイヤーに返す。
MediaTailorの利用
まず、HLS/DASHストリームと広告タグURLを発行するADSを用意する。ADSとMediaTailorとを統合させるためには、 VAST および VMAP の IAB 仕様に準拠したXMLを送信する必要 がある。MediaTailorはレポートAPIを通じて、VPADメタデータのプロキシもサポートしている。
VASTの要件
VASTレスポンスには、IAB準拠の TrackingEvents
要素と impression
などの標準イベントタイプが含まれている必要がある。また、 VAST3.0では広告ポッド(複数動画の連続性を制御) もサポートされた。特定のプレイヤーをターゲットにするためには、広告タグとURLのテンプレートを作成できる。
VASTのレスポンスを受けると、トランスコーディングに最適なマニフェストファイルを識別し、マニフェストに合った解像度にトランスコードを行う。 高解像度ではないなど最適なメディアファイルではなかった場合は、トランスコードジョブは失敗する 。MediaTailorは、 繰り返し使用するためにクリエイティブコンテンツを保存 し、IDとの照合/検索を行う。
VPAIDの要件
VPAIDを使用すると、インタラクティブな公告を配信して、その収益に関する指標を提供できる。MediaTailorは、VAST MP4リニア広告と、クライアント側で挿入されたVPAIDインタラクティブクリエイティブの組み合わせをサポートしている。
設定
MediaTailorを利用する場合に設定が必要な項目は以下の通り。
カテゴリ
項目名
必須
内容
Required settings
Name
○
識別子
Required settings
Content source
○
マニフェストファイルのURLプレフィックスからアセットIDを差し引いたもの
Required settings
Ad decision server
○
広告決定サーバー(ADS)のURL
Log configuration
Percent enabled
CloudWatch Logsに書き込む再生設定セッションログの割合
Personalization details
Slate ad
広告で使用されていない時間を埋めるためMP4アセットのURL※3
Personalization details
Personalization threshold
広告区切りで許可される未入力の広告時間(秒単位)の最大期間
Personalization details
Live pre-roll ad decision server
メインコンテンツの再生を開始する前にライブストリームの開始時に挿入する広告のURL
Personalization details
Live pre-roll maximum allowed duration
プレロール広告の最大許容期間
Personalization details
Avail suppression mode
BEHIND_LIVE_EDGE に設定すると抑制モードが有効化※1
Personalization details
Avail suppression value
この時間内またはこの後の広告を表示しない※1
Personalization details
Bumper start URL
スタートバンパーアセットの場所のURL※2
Personalization details
Bumper end URL
エンドバンパーアセットの場所のURL※2
Advanced settings
CDN content segment prefix
コンテンツセグメントのCDNプレフィックスパス
Advanced settings
CDN ad segment prefix
広告セグメントのCDNプレフィックスパス
Advanced settings
DASH origin manifest type
オリジンサーバーが単一期間のDASHマニフェストを生成する場合は、SINGLE_PERIODを選択
Advanced settings
Transcode profile name
カスタムトランスコードプロファイルに関連付ける名前
Advanced settings
Ad marker passthrough
HLSの場合に広告マーカーのパススルーするかどうか
広告抑制モード(※1)
Avail suppression mode
がOFFの場合は、全ての広告枠でパーソナライズが行われる。
Avail suppression value
が 00:00:00 の場合は、現在の再生地点より前の広告をパーソナライズしない。
仮に Avail suppression value
が 00:45:00 の場合は、現在の再生地点より45分前までの広告枠のみパーソナライズを行い、それ以前の広告はパーソナライズしない。
バンパー(※2)
バンパーは、広告枠の開始時もしくは終了前に再生される、スキップできないビデオクリップ。バンパーは10秒以内である必要があり、HLSの場合は、 EXT-X-CUE-OUT
タグに duration
属性を含める必要がある。
スレート(※3)
スレートは、 埋まっていない広告枠 、 空のVAST/VMAP応答があった場合 、 エラー時 、 広告が利用できない場合 などに再生される。
広告のプリフェッチ
広告のプリフェッチ機能を用いることで、ADSから事前に公告を取得/準備することができる。公告プリフェッチを設定するためには、再生設定に プリフェッチスケジュール を作成する。1つのプリフェッチスケジュールに対して、1つの広告セットが対応する。
クライアントがMediaTailorにマニフェストを要求すると、再生設定に関連づけられている全てのプリフェッチスケジュールを評価する。プリフェッチスケジュールが存在する場合、検索ウインドウと消費ウインドウを設定して、後に挿入するための広告を取得する。クライアントは、1日1回プログラムでCreatePrefetchSchedule APIを呼び出して検索と消費を設定できる。
カテゴリ
項目名
必須
内容
Basic details
Name
○
識別子
Basic details
Stream ID
ストリームを特定する一意のID
Retrieval
Start time
プリフェッチ検索を開始できる時刻。デフォルトは現在の時刻。
Retrieval
End time
プリフェッチを停止したい時間
Consumption
Start time
プリフェッチされた広告を広告区切りに配置し始める時間
Consumption
End time
プリフェッチされた広告を広告区切りに入れるのをやめる時間