OpenStack Summit Tokyo 2015(2)日本におけるOpenStackの現状

OpenStack Sumit Tokyo 2015「日本でのOpenStack、企業の導入状況と今後の活用予測」(2015/10/27 17:30-)より。OpenStackは今後も活用が広がっていくだろうとのこと。

日本におけるOpenStackの現状

大企業の6-7割、中小企業の2-3割が仮想化技術を用いたサーバ管理を行っている。このうちのほとんどがVMWare社製品を用いた仮想化である。 OpenStackは楽天やYahoo!Japanなどの大手が徐々に導入を始めている。日本は技術に関心がある層が非常に厚いが、品質を求めすぎるため に導入までに非常に時間が掛かるのがネック。また、SIerにシステム開発を依存しているのが日本企業の特徴である。とはいえ、日本の大企業は皆こぞって AWSを使っている。AWSは可用性や耐障害性があるのでAWSを使うことで仮に基幹系の一部のアプリが止まってしまうリスクが増加したとしてもそれを超えるメリットがAWSにはある、と言い切る 企業すらある。これからプライベートクラウドの利用も進み、OpenStackの利用も増えていくのではないか。

日本の企業のOpenStack導入事例

株式会社DeNAでは、事業の多角化を進めており非常に多くの案件が動いているため、多くのサーバのリソースを必要としている。これをOpenStack等の仮想化、自動化技術で解決したい。ネットワークに関してもネットワーク専任部署を設けてお任せするのではなく、自分たちできちんとネットワークも使いこなしたい。AWSは安価だと言われることもあるが必ずしもそうではない。大きなオンプレミス環境を持っているところは、オンプレミス環境の方がコストメリットがある。OpenStackは確かにバグも多いが、数年前に比べて大きく改善している。DeNAでは4-5名の担当者でOpenStackの運用からリサーチまで行っている。OpenStackは複雑なシステムではあるが、これを利用するほうが敷居が低い。例えば、スタートアップ系の企業は、AWSは料金が高すぎて使いづらいと言っている。

株式会社サイバーエージェントは、OpenStackを用いてサーバを300台以上を構築しており主にアドテク系で仕様している。OpenStackはバージョンアップが非常に早く、2世代前のバージョンをサポートしないのでどのように対応していくべきか迷っている。稼働させながらバージョンアップすることも可能ではあるが、難しいので結局新しいサーバをセットアップさせて移行している。AWSなどのバプリッククラウドよりも安価にそして性能よくしたいと考えている。運用担当者は現状3名だがもう少し欲しいところ。

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