日本初開催となるOpenStack Sumit Tokyo 2015に参加してきました。会場は品川のグランドプリンス新高輪、国際館パミール。OpenStackがいかに急速に発展し熱気あるプロジェクトであるか、ということを肌で感じたカンファレンスでした。
キーノート
まずはキーノートから。数日前にリリースされたOpenStack Libertyの話から企業の導入事例まで。
OpenStack導入事例
Lithiumは、マイクロサービスの即時実行サービスを提供している。AWS, OpenStack関係なくデプロイ、実行が可能である。ワニを撃ち落とすこんなゲームも、プログラムを変更してデプロイすればすぐにサービスに反映させることができる。
Yahoo! Japanは、月間650億PVある日本最大のポータルサイトを運用している。うちモバイルからが319億PVである。OpenStackを用いて100ラック分、4000台のマシンで運用している。天災アプリを提供していることもあって、地震発生の数十秒後にアクセスにスパイクが立つ。エンタプライズ市場でOpenStackは利用されるのかという議論があるが、Yahoo! Japanではアプリケーションの実装次第で活用できると考えている。同じAPIを提供することでデータセンタの抽象化ができるのが大きなメリットで、使っているハードウェアのライフサイクルを明確化し、移行計画を立てることも可能となる。2013年より前はIaaSを自分たちで作っており、全てのアプリケーションを自分たちで作成する必要があったが、OpenStack導入後は汎用的な部分はコミュニティにお任せして、特殊な機能の実装に集中することができるようになった。
Cloud Hostingを行っているbitnamiは、シャドークラウドをいかに無くすかという点が重要であると考えている。俊敏性や使い勝手がよくないと皆勝手に別のクラウドサービスを利用してしまう。
NTT Resonantは、日本で第3位のポータルサイトを運営している。月間PVは10億PVで、1800VM、4000Hypervisorを使用している。アップデートの時に障害ポイントになり得るので、カスタマイズして使うということはしていない。また、Puppet、Zabbixの利用など、既存の運用やツールは極力活用している。
OpenStack Liberty
10月16日に12番目のリリースとなるLibertyがリリースされた。今回からOpenStackは、主要機能であるCoreと周辺機能Big Tentにプロジェクトが分割された。成熟し開発が落ち着いたプロジェクトもあればまだまだ発展途上のプロジェクトもあるが、中でも現在最も急激に進化を遂げているのはネットワーク機能を提供するNeutronである。SDN市場は昨年比2倍で成長しているが、NeutronにはSDNコントローラも実装されSDNに対応している。また今回、コンテナのネットワークを接続する「Project Kuryr」が登場する。