AWS Amplify Framework(4)APIカテゴリ

APIカテゴリ

APIカテゴリは、 REST および、AWS Appsync をはじめとする GraphQL エンドポイントへのHTTPリクエストを行うための機能を、JavascriptライブラリおよびSDKを通じて提供する。AppSyncとの統合を行う場合は、

  1. クライアント側でAPIエンドポイントと認証情報を設定
  2. APIスキーマからJavascriptコードを生成
  3. クエリやミューテーションを実行するアプリコードを生成

という手順で行う。また、 Amplify CLI を用いることでバックエンドとなる AWS Appsync の設定やクライアント側の設定ファイルのダウンロードなどを簡単に行うことができる。

セットアップ

Amplifyプロジェクトのルートディレクトリでamplify add apiコマンドを実行することで、ウィザードに従って自動セットアップを行うことができる。

amplify update api
? Please select from one of the below mentioned services: GraphQL
? Choose the default authorization type for the API Amazon Cognito User Pool
Use a Cognito user pool configured as a part of this project.
? Do you want to configure advanced settings for the GraphQL API No, I am done.

スキーマ

/amplify/backend/api/API_NAME/schema.graphql にあるスキーマファイル(schema.graphql)を編集することで、GraphQLのスキーマを更新することができる。Amplifyプロジェクトをデプロイすると、これらのスキーマがバックエンド側に反映される。

GraphQLトランスフォーマ

Amplifyには、拡張定義された GraphQLディレクティブ が用意されており、これらのディレクティブを用いることで、 データ構造や参照権限などを簡単に記述 することができる。

type User @model @key(fields: ["id", "group"]) {
  id: ID!
  group: String!
  attr: Attr
}

type Attr {
  gender: Int
  age: Int
  areacode: Int
  postcode: Int
}
ディレクティブ 内容
@model @model単位でDynamoDBテーブルが作成される
@key(fields: [KEY, KEY]) DynamoDBに格納する際のプライマリキーとソートキーを定義

スキーマの更新

フロントエンドのコンテンツは、GraphQLデータを操作するためのTypeScriptクラスを経由して、バックエンドと通信を行う。amplify codegen を実行することで、 /arc/graphql/ 以下にGraphQLを操作するためのGraphQLステートメントとタイプを自動生成する。

なお、amplify codegen コマンドは、 team-provider-info.json に格納されている情報を基にAWS上の設定内容を確認し、上記動作を行う。したがって、 team-provider-info.json に正しいリソース情報が格納されていない場合には、 UnhandledPromiseRejectionWarning: AccessDenied: Access Denied エラーが発生する。

AWS SAM(1)Serverless Application Modelの概要

AWS SAMとは

AWS SAMは、サーバレスアプリケーションを構築するための オープンソース フレームワークであり、数行の設定のみで、必要なアプリケーションを定義できる。AWS SAMは、CloudFormation拡張テンプレート仕様 および AWS SAM CLI コンポーネントから構成される。

AWS SAMを使用することで、関連するコンポーネントとリソースの整理、操作が単一のスタックで管理できる。また、メモリやタイムアウト値などの設定値をリソース間で共有することも可能である。また、CloudFormationの拡張機能 であるため、 CloudFormationに対応するリソースと組み合わせてリソースを管理することができる。

AWS SAMには、ローカルの開発環境でLambda実行環境と同等の機能を提供する。これを用いることで、AWS上にデプロイする前に、ローカルの開発環境で動作や問題等を確認することができる。

また、Lambdaを安全にデプロイするために、 一定期間の間に段階的に新しいバージョンをデプロイすることも可能 である。

SAM CLI

sam init

プロジェクト名として指定したディレクトリの下に、sam-app ディレクトリと、SAMプロジェクトおよびサンプルテンプレートを作成する。

sam validate

SAMテンプレートが有効であるかどうか検証する。AWS CLI Configureにてデフォルトリージョンを設定していない場合には、以下のように環境変数を与える必要がある。

env AWS_DEFAULT_REGION=ap-northeast-1 sam validate

sam build

sam-app ディレクトリ直下に .aws-sam を作成し、この下に、指定した実行環境をターゲットとする デプロイメントアーティファクト を作成する。例えば、LambdaをPythonで記述した場合に、 requirements.txt にて依存関係のあるライブラリを指定することができるが、 sam build はこれらの依存関係を適切に処理する。

sam package

デプロイメントアーティファクト を圧縮してS3にアップロードする。また、パッケージ化されたSAMテンプレート(packaged.yaml)を作成する。パッケージ化されたSAMテンプレートには、S3にアップロードした デプロイメントアーティファクト へのリンク先が記述されている。sam deploy コマンドは、 sam package コマンドを暗黙的に実行するため、本来は sam deploy コマンドを実行するだけでよい。

sam deploy

アプリケーションのデプロイを行う。 --guided パラメータを付与することで、インタラクティブモードを起動することができる。

sam logs

Lambdaが生成するログを確認することができる。

SAMテンプレート

SAMテンプレートには、 Globals セクションが設けられており、ランタイムやメモリなどの共通設定をこれに格納することができる。なお、以下のプロパティはサポートされていない。

  Function:
    Role:
    Policies:
    FunctionName:
    Events:

  Api:
    StageName:
    DefinitionBody:

SAMテンプレートでは、以下のリソースタイプがサポートされている。AWS :: Serverless :: LayerVersion のみ DeletionPolicy をサポートしている。また、 AWS :: Serverless :: Api 内で記述するOpenAPIドキュメントは、 一部のAPI Gateway拡張(x-amazon-apigateway-) のみサポートしていることに注意が必要である。

タイプ 作成されるリソース 備考
AWS :: Serverless :: Api API Gateway OpenAPIを使用してAPIを定義する
AWS :: Serverless :: Application SAM Serverless Application Repositoryのリソースをデプロイ可能
AWS :: Serverless :: Function Lambda, IAM Role
AWS :: Serverless :: HttpApi API Gateway Http Api
AWS :: Serverless :: LayerVersion Lambda Layer Version
AWS :: Serverless :: SimpleTable DynamoDB プライマリキーのみのテーブルを作成

ポリシーテンプレート

SAMでは、Lambdaのアクセス許可をポリシーテンプレートという形で指定することができる。ポリシーテンプレートは、あらかじめAWSが用意したポリシーパターンである。

テスト

sam local コマンドを用いることでローカルで、API GatewayやLambdaを実行させることができ、開発環境でアプリケーションの動作を検証することができる。