AWS Amplify Framework(2)Authenticationモジュール

Authenticationモジュール

Authenticationモジュールは、AWS Cognito ユーザプール もしくは AWS Cognito Federated Identities を用いてユーザ認証機能を提供する。AWS Cognito Federated Identitiesを用いることで、FacebookやGoogleなど、OpenIDプロバイダーを認証基盤として使用することができる。

セットアップ

Amplifyプロジェクトのルートディレクトリでamplify add authコマンドを実行することで、ウィザードに従って自動セットアップを行うことができる。

設定項目 内容
リソース名 myproject
User Pool名 myproject
Sign-Inに使用する属性 Email
MFA 無効
ユーザ登録等にEメールを使用 有効
認証メールのタイトル MyProject から 認証コード をお送りします
認証メールの本文 あなたの認証コードは {####} です。
Sign-Up時に必須の属性 Email, Name
Tokenの有効期間 30日
アクセスできるユーザ属性の限定 なし
その他の機能 ホワイトリストによるEmailドメインのフィルタ
OAuthの使用 なし
Lambda Triggers Pre Sign-up
ホワイトリストに指定するドメイン surbiton.jp
$ amplify add auth

 Do you want to use the default authentication and security configuration? Manual configuration
 Select the authentication/authorization services that you want to use: User Sign-Up & Sign-In only (Best used with a cloud API only)
 Please provide a friendly name for your resource that will be used to label this category in the project: myproject
 Please provide a name for your user pool: myproject
 Warning: you will not be able to edit these selections. 
 How do you want users to be able to sign in? Email
 Multifactor authentication (MFA) user login options: OFF
 Email based user registration/forgot password: Enabled (Requires per-user email entry at registration)
 Please specify an email verification subject: MyProject から 認証コード をお送りします
 Please specify an email verification message: あなたの認証コードは {####} です。
 Do you want to override the default password policy for this User Pool? No
 Warning: you will not be able to edit these selections. 
 What attributes are required for signing up? Email, Name
 Specify the app's refresh token expiration period (in days): 30
 Do you want to specify the user attributes this app can read and write? No
 Do you want to enable any of the following capabilities? Email Domain Filtering (whitelist)
 Do you want to use an OAuth flow? No
 Do you want to configure Lambda Triggers for Cognito? Yes
 Which triggers do you want to enable for Cognito (Press <space> to select, <a> to toggle all, <i> to invert selection)Pre Sign-up
 What functionality do you want to use for Pre Sign-up (Press <space> to select, <a> to toggle all, <i> to invert selection)Sign-Up email filtering (whitelist)
 Enter a comma-delimited list of allowed email domains (example: 'mydomain.com, myotherdomain.com'). surbiton.jp
Succesfully added the Lambda function locally
 Press enter to continue 
Successfully added resource myproject locally

Vue Components

認証モジュールに関連して使用できるVue Componentsは以下の通り。

Components 内容
<amplify-authenticator></amplify-authenticator> 認証全般
<amplify-sign-in></amplify-sign-in> Sign-In
<amplify-confirm-sign-in></amplify-confirm-sign-in> Sign-Inの確認
<amplify-sign-up></amplify-sign-up> Sign-Up
<amplify-forgot-password></amplify-forgot-password> パスワード忘れ時
<amplify-sign-out></amplify-sign-out> Sign-Out
<amplify-set-mfa></amplify-set-mfa> MFAの設定

Example

認証モジュールを組み込んだVue Componentの実装例は以下の通り。

<template>
  <div id="auth">
    <div v-if="signInStatus === 'signedIn'">
      <!-- サインアウト -->
      <amplify-sign-out></amplify-sign-out>
    </div>
    <div v-else>
      <!-- サインイン -->
      <amplify-authenticator v-bind:authConfig="authConfig"></amplify-authenticator>
    </div>
  </div>
</template>

<script>
import { AmplifyEventBus } from 'aws-amplify-vue'
import { Auth } from 'aws-amplify'
export default {
  name: 'Auth',
  components: {},
  data: function() {
    return {
      signInStatus: 'signedOut',
      authConfig: {
        // サインインにEmailを使用
        usernameAttributes: 'Email',
        signUpConfig: {
          hideAllDefaults: true,
          // サインアップに使用する項目
          signUpFields: [
            {
              label: 'Email',
              key: 'email',
              required: true,
              displayOrder: 1,
              type: 'string',
              signUpWith: true
            },
            {
              label: 'Name',
              key: 'name',
              required: true,
              displayOrder: 2,
              type: 'string'
            },
            {
              label: 'Password',
              key: 'password',
              required: true,
              displayOrder: 3,
              type: 'password'
            },
          ]
        }
      }
    }
  },
  async beforeCreate() {
    try {
      // 現在のユーザ
      await Auth.currentAuthenticatedUser()
      this.signInStatus = 'signedIn'
    } catch (err) {
      this.signInStatus = 'signedOut'
    }
    AmplifyEventBus.$on('authState', info => {
      switch (info) {
        case 'signedIn':
          this.signInStatus = 'signedIn'
          break
        default:
          this.signInStatus = 'signedOut'
          break
      }
    });
  }
}
</script>

<style>
</style>

Vue.js(2)コンポーネント

Vueコンポーネント

Vue.jsでは、名前付き再利用可能なVueインスタンスとして、Vueコンポーネントという仕組みが用意されており、HTMLの要素やスタイル、状態、挙動などを使いまわせる部品としてまとめて定義できる。Vue.component()という関数が用意されており、第一引数にVueインスタンス内に存在する要素名=コンポーネント名)を、第二引数にオプションを与える。

コンポーネント名は、kebab caseでもcamel caseでもどちらで命名しても構わないが、DOM内ではkebab caseでしか記述できないことを考慮すると、kebab caseに統一しておくことが望ましい。

<ul id="app">
  <list-item></list-item>
  <list-item></list-item>
  <list-item></list-item>
</ul>

<script>
Vue.component('list-item',{
  template: '<li>item</li>'
})
new Vue({
  el: '#app'
})
</script>

Vueコンポーネントで指定できるオプションは、以下の通り。

名前 内容
data UIの状態とデータ
filters データの整形
methods イベント時の挙動
computed データから派生して算出する値
template コンポーネントのテンプレート
props 親要素から子要素へのデータ受け渡し

コンポーネントは、グローバルのVue.jsに対して定義するグローバルコンポーネントと、あるVueインスタンスの中のみで使用できるローカルコンポーネントが存在する。ローカルコンポーネントは、対象のVueインスタンス内で定義する。

コンポーネントテンプレート

text/x-template

template内の要素をscriptタグ内で定義する方法

<script type="text/x-template" id="list-item">
  <li>item</li>
</script>

renderオプション

コンポーネント内でコードを用いる場合は、renderオプションを使用する。

単一ファイルコンポーネント

.vue拡張子の単一ファイル上でコンポーネントを実装することができる。これらのファイルを利用するときは、Webpackなどによるプリコンパイルが必要となる。また、Vueインスタンス内のcomponentsオプションにて、利用するコンポーネントを指定する必要がある。

下記のように、単一ファイルコンポーネント内でも他のコンポーネントをローカル登録することが可能である。

import ComponentA from './ComponentA'

export default {
  components: {
    ComponentA
  }
}

コンポーネントデータ

コンポーネント内のdataオブジェクトにそのままデータを記載すると、コンポーネントの全てのインスタンスでこれらのデータが共有されてしまう。これを防ぐために、コンポーネントでdataオブジェクトを使用する際には、関数を用いて値を返却する実装とする

コンポーネント間の通信

Vue.jsでは、各コンポーネント内で独自のスコープを持つので、基本的にはコンポーネントを跨いだデータの受け渡しはできないが、親コンポーネントと子コンポーネントの間では、データの受け渡しが可能である。親から子へはpropsオプションを用いて子から親にはイベントを用いてデータを受け渡す。

propsオプションは子コンポーネント内に記載し、受け渡されるデータの属性名や型などを指定することができる。親コンポーネントでは、v-bindを用いて受け渡す値を指定する。

コンポーネント 値の指定方法 値の命名規則
親コンポーネント v-bind:受け渡す値の名前=’コンポーネント内の値の名称’ kebab case
子コンポーネント props: {受け取る値の名前: {}} camel case

子コンポーネントから親コンポーネントへの通信は、カスタムイベントを使用する。イベントのリッスンには $on(eventName) を、イベントトリガには、 $emit(eventName) を使用する。

Vue.js(1)Vue.jsの概要

Vue.jsの特徴

Vue.jsは、ビューだけを取り扱うシンプルなライブラリで、DOM要素にバインディング指定することで、データ変更を検出する度に、DOM要素が表示内容を自動で更新する「リアクティブなデータバインディング」を提供する。したがって、値を都度算出したり、その値を設定するコードが不要。また反対に、ユーザからの入力を検出する度にJavascriptのデータを更新することもできる。

Vue.jsは、フレームワークはどんな規模でも段階的に柔軟に使えるべきであるという、ブログレッシブフレームワークの思想を基に開発されており、ライブラリを導入するなどすることで、規模や要求に応じた対応が可能である。

またVue.jsは、HTMLライク(HTML, CSS, Javascript)なコンポーネント単一ファイルに記述できるために非常に学習コストが低い。

Vue.jsの基本

Vue.jsは、イベントと要素との間に状態(State)を持つために、イベントとDOMとの関係を分けて考えることが可能である。UIの状態を担うJavascriptオブジェクトを中心に据え、

  • UIの状態とJavascriptオブジェクト
  • UIの状態とDOMツリー
  • イベントと状態の変更

の3つの視点からコンテンツを制作できる。

Vue.jsの構成

Vueオブジェクト

グローバル変数Vueは、コンストラクタモジュールの2つの役割を持つ。コンストラクタに指定する オプションオブジェクト は、以下のプロパティを指定することができる。

名前 内容
data UIの状態とデータ
el Vueインスタンスをマウントする要素
filters データの整形
methods イベント時の挙動
computed データから派生して算出する値

elプロパティ もしくは mountメソッド を用いて、マウント対象の要素を指定する。Vueの影響範囲は、このマウントした要素とその子要素に限られる

var vm = new Vue({
  el: '#app'
})
var vm = new Vue({
})
vm.$mount('#app')

UIデータの定義

dataプロパティを用いて、データのオブジェクトを指定する。dataプロパティで規定したデータは、更新毎に表示も変化する。この値をHTML上に反映させるためには以下のように記述する。なお、Vueインスタンスの変数名は、ViewModelの略として、慣例的にvmをよく使用する。

var vm = new Vue({
  el: '#app'
  data: {
    key: 'value'
  }
})
<div id="app">
  <p>{{ key }}</p>x
</div>

なお、 {{ key }} は、データをHTMLではなくプレーンテキストとして扱うため、HTMLとして出力する必要がある場合には、 v-html ディレクティブを使用する。また、dataプロパティにはデータのみを置き、値の処理を行う関数などは、methodsプロパティcomputedプロパティに記載する。

$watchメソッドは、Vueインスタンスの変更を検知し動作を開始するため、デバッグ等に利用できる。第一引数に監視対象の値第二引数に値が変更した際に事項する処理内容を規定します。

vm.$watch(function(){
  return this.key
},function(){
}

テンプレート

Vue.jsは、データとDOMツリーの関係を定義するテンプレート機能を提供しており、Mustache記法によるデータ展開ディレクティブによるHTML要素の拡張を行うことができる。

詳細は、テンプレート構文 – Vue.jsを参照のこと。

データ展開

v-bindを利用して、属性プロパティに値を適用することができる。

v-bind:属性名="dataのkey"

文字列だけではなく真偽値を適用して、表示を変更することもできる。また、属性名を角括弧で囲うことで、属性名を変数名として定義することもできる

<div id="app">
  <button v-bind:[attribuiteName]="key">button</button>
</div>
<script>
var attributeName = 'title'
var vm = new Vue({
  el: '#app',
  data: {
    key: 'value'
  }
})
</script>

フィルタ

filtersプロパティは、テキストのフォーマット処理を行うことができる。関数として定義し、関数名がフィルタ処理後の変数名となる。{{ 値|フィルタ名 }}と記述することで、指定した値にフィルタを適用できる。

<div id="app">
  <p>{{ filteredKey|keyFilter }}</>
</div>
<script>
var vm = new Vue({
  el: '#app',
  data: {
    key: 'value'
  },
  filters: {
    keyFilter: function(){
    }
  }
})
</script>

複数のフィルタを | で連結することもできる。

算出プロパティ

computedプロパティは、派生したデータをプロパティとして公開する仕組みで、データに処理を加えたいときに使用する。

詳細は、算出プロパティとウォッチャ – Vue.jsを参照のこと。

<div id="app">
  <p>{{ computedValue }}</>
</div>
<script>
var vm = new Vue({
  el: '#app',
  data: {
    key: 'value'
  },
  computed: {
    computedValue: function(){
        return this.key+100
    }
  }
})
</script>

算出プロパティも依存しちえるデータが更新されれば、自動的に更新される。算出プロパティは、算出対象の変数などの依存関係が更新されたときのみ再実行されるのに対して、メソッドは、再描画が発生する度に実行される

算出プロパティは、通常getterのみ提供されているが、別途setterを定義することもできる。

ディレクティブ

HTMLに対してディレクティブと呼ばれる独自の属性を追加し、DOMの操作を行うことができる。

条件付きレンダリング

v-ifおよびv-showディレクティブを用いて、これらの属性に真偽値を適用することで、要素の表示非表示を制御することができる。v-ifはDOMの追加削除自体を行うが、v-showはdisplayプロパティの変更を行って表示非表示を行う。頻繁に表示非表示が変更される場合は、v-showを使うほうがレンダリングコストが低い。

v-ifディレクティブと同時に、v-else-ifディレクティブv-elseディレクティブを使用することもできる。これらのディレクティブを使用した場合、再利用が可能な要素は描画されずにそのまま利用される。明示的に再描画を行う場合には、Key属性を追加して、Vueに別要素として認識させる必要がある

データ変更時の更新は行わずに展開を1度のみ行う場合は、v-onceディレクティブを使用することもできる。

詳細は、条件付きレンダリング – Vue.jsを参照のこと。

<div id="app">
  <p v-if="isShown">text</>
</div>
<script>
var vm = new Vue({
  el: '#app',
  computed: {
    isShown: function(){
        return true;
    }
  }
})
</script>

クラスとスタイルのバインディング

特定の条件を満たしているときにUIを変更する場合は、v-bindディレクティブを使用する。

また、v-bind:classは、指定された値のうち真のプロパティのみ、Classの属性値に反映する。下の例では、isShownは真のときのみ、error属性がClass属性に反映する。

<div id="app">
  <p v-bind:class="(error: isShown)">text</>
</div>
<script>
var vm = new Vue({
  el: '#app',
  computed: {
    isShown: function(){
        return true;
    }
  }
})
</script>

v-bind:styleは、スタイルプロパティとして要素に反映される。v-bind:属性名は、:属性名と省略して記述することもできる。

詳細は、クラスとスタイルのバインディング – Vue.jsを参照のこと。

リストレンダリング

v-forディレクティブを用いることで、配列もしくはオブジェクトデータを繰り返して表示できる。v-forは、v-bindと共に使用して、v-bindで一意なキーを与えなければならない

v-for="要素 in 配列"

また、v-forディレクティブは、オブジェクトのプロパティに対しても使用することができる。このとき、オブジェクトの値(Value)だけでなく、キー(key)およびインデックス(index)を指定することもできる

<ul id="v-for-object" class="demo">
  <div v-for="(value, name, index) in object">
    {{ index }}. {{ name }}: {{ value }}
  </div>
</ul>
new Vue({
  el: '#v-for-object',
  data: {
    object: {
      title: 'How to do lists in Vue',
      author: 'Jane Doe',
      publishedAt: '2016-04-10'
    }
  }
})

リスト要素に対する画面更新を行うために、push(), pop(), shift(), unshift(), splice(), sort(), reverse()などの変更メソッドがあらかじめ用意されている。

詳細は、リストレンダリング – Vue.jsを参照のこと。

イベントハンドリング

v-onディレクティブを持ちることで、イベントの発生の検知と検知時の実行する動作を記述することができる。v-on:イベント名は、@イベント名と省略して記述することもできる。

v-on:イベント名="式として実行したい属性名"

また、v-onディレクティブとv-bindディレクティブを、v-modelディレクティブとして記述することもできる。これは、DOMで変更があった場合に、その値をVueに反映できるディレクティブである。

<div id="app">
  <input type="number" v-model="key">
</div>
<script>
var vm = new Vue({
  el: '#app',
  data: {
    key: 'value'
  }
})
</script>

詳細は、イベントハンドリング – Vue.jsを参照のこと。

ライフサイクルフック

Vueにはライフサイクルが規定されていて、それぞれの状態に変化した際に、ライフサイクルフックを用いて処理を実行することができる。

フック名
beforeCreate
created
beforeMount
mounted
beforeUpdate
updated
beforeDestroy
destroy

詳細は、ライフサイクルダイアグラム – Vue.jsを参照のこと。

メソッド

methodsディレクティブを用いることで、Vue内のメソッドを定義することができる。v-onディレクティブにメソッド名を指定して、ボタンクリック等のイベント時に処理をするなどが考えられる。

イベント修飾子

メソッドには、 呼び出し元からeventオブジェクトが渡される。eventオブジェクトが持つ preventDefault()stopPropagation() を用いることで、イベントを停止したりイベントの伝搬を停止することができる。

ただし、これらのメソッドを使用することで複雑な処理となることを避けるために、イベント修飾子を提供している。

イベント修飾子 動作
.stop イベントの伝搬を停止する
.prevent ページリロードの停止
.capture
.self event.targetが自分自身の場合のみ呼び出し
.once
.passive

キー修飾子

キーボードイベントをサブスクライブするにあたって、処理を容易にするために、キー修飾子も用意されている。

詳細は、イベントハンドリング – Vue.jsを参照のこと。

AWS Connect(1)AWS Connectの概要

AWS Connectとは

AWS Connectとはクラウド型コンタクトセンターで、Amazonのコンタクトセンターと同じ技術が使われている。グラフィカルインタフェースを用いることでコーディングすることなく、対応フローの設計、スタッフの管理などが簡単に実現できる。

インフラの管理が不要で手軽に規模を拡大縮小できる。また、Amazon Lexとの連携によって自動応答を実現したり、CRMソリューションと連携して顧客情報の管理を行うこともできる。また、アウトバンドコンタクトAPIを用いて、スケジュールした時刻にプログラムから電話を発信することも可能である。

サポートされているブラウザは、最新3バージョンChrome最新Firefox。東京リージョンに対応し日本語にも対応している。

AWS DynamoDB(4)項目の読み取りと書き込み

項目の読み取り

単一項目の読み取り

単一項目の読み取りには、GetItemアクションを使用する。一部の属性のみを取得する場合には、ProjectionExpressionを使用する。

{
    TableName: "Music",
    Key: {
        "Artist": "No One You Know",
        "SongTitle": "Call Me Today"
    },
    "ProjectionExpression": "AlbumTitle, Year, Price"
}

複数項目の読み取り

複数項目の読み取りには、Queryアクションを使用する。Queryアクションは、複合プライマリキー (PartitionKeyとSortKey) のあるテーブルで使用できる。KeyConditionExpressionFilterExpressionの中で、ExpressionAttributeValuesの値をプレースホルダーとして使用する必要がある。

{
    TableName: "Music",
    KeyConditionExpression: "Artist = :a and SongTitle = :t",
    ExpressionAttributeValues: {
        ":a": "No One You Know",
        ":t": "Call Me Today"
    }
}

全ての項目の読み取り

全ての項目の読み取りには、Scanアクションを使用する。FilterExpressionを用いて不要な項目を除外することもできるが、Scan後に実行されることに留意が必要である。

// Return all of the values for Artist and Title
{
    TableName:  "Music",
    ProjectionExpression: "Artist, Title"
}

項目の書き込み

新たな項目の書き込み

新たな項目の書き込みには、PutItemアクションを使用する。

{
    TableName: "Music",
    Item: {
        "Artist":"No One You Know",
        "SongTitle":"Call Me Today",
        "AlbumTitle":"Somewhat Famous",
        "Year": 2015,
        "Price": 2.14,
        "Genre": "Country",
        "Tags": {
            "Composers": [
                  "Smith",
                  "Jones",
                  "Davis"
            ],
            "LengthInSeconds": 214
        }
    }
}

既存の項目の変更

既存の項目の変更には、UpdateItemアクションを使用する。既存の項目が存在する場合には更新され、存在しない場合には項目が追加される。条件付き書き込みをサポートしており、ConditionExpressionがtrueと評価されたときのみ実行される。

{
    TableName: "Music",
    Key: {
        "Artist":"No One You Know",
        "SongTitle":"Call Me Today"
    },
    UpdateExpression: "SET RecordLabel = :label",
    ConditionExpression: "Price >= :p",
    ExpressionAttributeValues: { 
        ":label": "Global Records",
        ":p": 2.00
    }
}

項目の削除

項目の削除には、DeleteItemアクションを使用する。条件付き削除をサポートしており、ConditionExpressionがtrueと評価されたときのみ実行される。

{
    TableName: "Music",
    Key: {
        Artist: "The Acme Band", 
        SongTitle: "Look Out, World"
    },
   ConditionExpression: "attribute_exists(RecordLabel)"
}

AWS Amplify Framework(1)Amplifyの概要

AWS Amplify Frameworkとは

AWS Amplifyは、モバイルアプリやウェブアプリの実装を容易にするフレームワークで、AWS上のバックエンドをプロビジョニングし、iOSAndroidWeb、React Native上などのフロントエンドと簡単に統合することができる。バックエンドのサービスを設定可能なAmplify CLIや、Web上に展開するAmplify JSなどのリソースがGitHub上で提供されており、認証解析プッシュ通知ボットなどの機能を実装することが可能である。

提供される機能の例 AWSサービス 内容
Analytics Congito/Pinpoint ユーザのセッションや属性などを計測
API Lambda + API Gateway REST/GraphQL APIの利用
Aythentication 認証APIとpre-build UI component
Storage S3 + Cloudfront 静的コンテンツの管理
Interactions Botの構築
PubSub リアルタイムデータのやりとり
Notification プッシュ通知
XR AR/VR

Amplify CLI

Amplify CLIを用いることでバックエンドを簡単に設定することができる。バックエンドのカテゴリごとにカテゴリプラグインや、プロバイダープラグインフロンドエンドプラグインなど様々なプラグインが用意されている。これらのリソースの状況は、amplify statusコマンドで確認することができる。

実行順序 コマンド 内容
1 amplify configure AWSユーザや認証情報の設定
2 amplify init プロジェクトの作成
3 amplify add カテゴリの追加
4 amplify push バックエンドのデプロイ

初期設定

amplify initコマンドを実行することで、フロントエンドの設定確認と初期化、AWS上のバックエンドをセットアップすることができる。1つのプロジェクトは設定の異なる複数のバックエンド(=Env)を持つことが可能で、amplify envコマンドを用いてこれらのバックエンドを切り替えることが可能。Gitのブランチと組み合わせることも可能で、masterブランチ上のプロジェクトはprod環境のバックエンド上にデプロイ、developブランチ上のプロジェクトはdevelop環境のバックエンド上にデプロイするなどの設定を行うことができる。万が一、AWS上のCloudFormationを削除してしまった状態のままデプロイした場合はエラーとなるので、この場合はamplify initコマンドでバックエンドの再生成が必要となる。

コマンド 実行内容
amplify env add ENV_NAME バックエンドを追加
amplify env remove ENV_NAME バックエンドを削除
amplify env pull ENV_NAME –restore AWS上のバックエンド設定を参照して上書き
amplify env list バックエンドの一覧を表示

AWS Amplify Console等の外部サービスでAmplifyをデプロイしたあとに、amplify pushコマンドを用いて開発環境上でデプロイを実行すると、バックエンドのデプロイ状態に差異が生じているためにデプロイに失敗する。上記のamplify env pullコマンドによって、AWS上の最新のバックエンド情報を取得することで、この問題は解決する。

カテゴリの追加と削除

上述のようにAmplify Frameworkは、認証解析などの様々な機能を有している。これらの機能(=カテゴリ)を自身のプロジェクトに追加したり削除したりするのが、amplify add/update/remove CATEGORY_NAMEコマンドである。

その他のコマンド

その他よく使うコマンドは以下の通り。

コマンド 実行内容
amplify codegen AWSからGraphQL Schemaを取得しJSファイルを生成
amplify delete Amplify プロジェクトをすべて削除
amplify status Amplify プロジェクトのステータスを表示
amplify push Amplify プロジェクトをAWS上でデプロイ

Amplifyプロジェクト

Amplifyプロジェクトは、以下のようなディレクトリ構成となっている。

.
├── amplify/
|├── backend/
||     ├─── api
||     |  └── schema.graphql   (編集可)    GraphQLのスキーマ
||     ├── amplify-meta.json   (自動生成)   AWSリソースの設定情報を格納 
||     └── awscloudformation   (自動生成)   CloudFormationのルートスタック
|├── .config/                   (自動生成)   クラウドの構成とユーザー設定/設定を保存
|└── #current-cloud-backend     (自動生成)  直近に取得したクラウド構成
└── src/
    ├── App.vue                  (編集可)     Vueの単一コンポーネントファイル     
    ├── graph/                   (自動生成)    GraphQL statement
    ├── main.js                  (編集可)      Vueのエントリーポイント      
    └── aws-exports.js           (自動生成)    AWSリソースのエンドポイント等の情報を格納

AWS認定(3)SysOps アドミニストレーター(アソシエイト)に合格するまで

AWS認定SysOpsアドミニストレーター試験合格に向けての資料集。以下の資料を何度も読み込んで、手を動かしながら実践を繰り返すことが合格の近道となる。

出題範囲と学習法

AWS認定SysOpsアドミニストレーター試験の問題は、AWS上でデプロイ運用管理を行う際に、可用性や拡張性を考慮してどのようなサービスや機能を選択すべきかについて問われることが多い。AWSが提供するサービスは100を超えるが、本試験を受講する上では以下のサービスを理解しておくことが望ましい。

カテゴリ サービス名
コスト管理 Cost Explorer
コンピューティング Auto Scaling, ELB
データベース RDS
マネジメントとガバナンス CloudWatch, Personal Health Dashboard, Config, System Manager, CloudFormation, Trusted Advisor
移行と転送 Snowball
ネットワーキングとコンテンツ配信 VPC, Route 53, DirectConnect
セキュリティとコンプライアンス IAM, Organizations
ストレージ S3, Glacier, EBS

勉強法は、

  1. サンプル問題集に目を通してレベルを確認する
  2. 以下の資料を読みながら実際に各サービスに触れる
  3. 模擬試験を受講する

で十分合格ラインに行くかと。ちなみに学習時間はソリューションアーキテクトとデベロッパーを取得済みだったので3日ほど。なお、各サービスのドキュメントにベストプラクティスの項目が存在する場合は、該当部分を理解しておく

対策本

対策本はほとんど発売されていない。以下の本が唯一の試験対策本。この本には、各サービスの概要や特徴が簡潔に書かれており、AWSの各サービスの概要を学ぶためには非常に有効。一方で、章末問題と実際の試験問題は異なるので、実際の問題に慣れるためには、模擬試験の受講が必要である。

AWSの概要とセキュリティ

AWS(1)AWSの概要とメリット
AWS(4)Well-Architectedフレームワーク
AWS(5)セキュリティのベストプラクティス

AWS Identity and Access Management

AWS(2)セキュリティの概要
AWS Identity and Access Management(1)IAMの概要
AWS Identity and Access Management(4)STS

AWSの基本サービスの概要

Amazon EC2 と Elastic Load Balancing

AWS EC2(1)EC2の概要
AWS EC2(3)AMIとインスタンス
AWS EC2(6)Elastic Load Balancing
EC2(7)Auto Scaling

Amazon VPC

AWS VPC (1)Amazon Virtual Private Cloud とは

Amazon S3

AWS S3(3)S3の概要
AWS S3(4)使用する上で注意すること

Amazon RDS

AWS RDS(1)Relational Database Serviceの概要

Amazon SQS

AWS SQS(1)Amazon Simple Queue Serviceの概要

AWS CloudFormation

AWS CloudFormation(1)CloudFormationの概要

Amazon CloudWatch

AWS CloudWatch(1)CloudWatchの概要

AWS EC2(7)Auto Scaling

EC2 Auto Scalingとは

EC2 Auto Scalingを用いることで、アプリケーションの負荷を処理するための適切な数のEC2インスタンスを利用することができる、。Auto Scalingを利用するためには、Auto Scalingグループと呼ばれるEC2インスタンスの集合を定義し、このグループに含まれる最小と最大のインスタンスの数を定義する。また、希望するインスタンス数(Desired capacity)を定義することも可能。また、Auto Scalingグループ内のEC2インスタンスを複数のAZに分散配置することで、地理的な冗長性や安全性を実現できる。

Auto Scaling グループ

Auto Scalingを用いることで、耐障害性や可用性が向上する。また、必要な数のインスタンスのみ起動されるため安定的なパフォーマンスを低コストで実現することができる。

Auto Scalingグループ内の各EC2インスタンスの負荷に偏りが発生した場合は、古いインスタンスを終了して新しいインスタンスを起動させる。この場合にスムーズに処理が継続されるように、一時的に最大容量に対して10%のマージンが確保される

ライフサイクル

Auto Scalingのライフサイクルは以下の通り。

ライフサイクル

Auto Scalingグループはグループ内のインスタンスに対して定期的にヘルスチェックを行なっている。スケールイン/アウトは、手動もしくはスケーリングポリシースケジュールに基づき実行される。スケールイン、ヘルスチェックの失敗、Auto Scalingグループからの離脱等が発生した場合には、Auto Scalingグループ内のEC2インスタンスは終了処理が実施される。

Auto Scalingグループ

起動設定

Auto Scalingグループ内のEC2インスタンスは、起動テンプレートもしくは起動設定の設定内容に基づいて起動される。これらには、AMIのIDやインスタンスタイプ、ネットワーク設定、ストレージの設定、オンデマンドインスタンスとスポットインスタンスの配分等が含まれる。また、起動設定は、既に起動済みのインスタンスの属性を使用して作成することも可能である。Auto Scalingグループに関連付けられる起動設定は1つだけであり、グループ作成後に変更することはできない。Auto Scalingグループに関連づける起動設定を変更する場合は、現在の起動設定をコピーした上で新たな起動設定を作成し、これを当該のAuto Scalingグループに紐づける。

ロードバランサとの連携

Auto Scalingで増減したインスタンスに対して適切にトラフィックが分散されるようにするためには、Elastic Load Balancingの受信トラフィックの通信先にAuto Scalingグループを指定する。Auto Scalingのヘルスチェックは、通常EC2のステータスチェックのみであるが、オプションでELBのヘルスチェックを用いてAuto Scalingグループのヘルスチェックを行う設定にすることも可能である。この場合、ELBから送られる定期的なPINGに応答しないなど、ELBのヘルスチェック合格しなかった場合、このインスタンスは異常ありと判定されて他のインスタンスに置き換えられる。

スケーリング

Auto Scalingでは、以下のスケーリング方法を実施可能である。

  • 現在のインスタンスレベルの維持
  • 手動スケーリング
  • スケジュールに基づくスケーリング
  • 要求に基づくスケーリング(動的スケーリング

CloudWatchのメトリクスを利用して複数のスケーリングポリシーを適用することも可能である。例えば、EC2のCPU使用率を指標としたポリシーと、SQSのメッセージ処理に関するメトリクスを指標としたポリシーを同時に適用する、といったような場合である。複数のポリシーが適用となった場合は、より影響を与えるポリシーの実行命令が優先される

スケジュールされたスケーリング

あらかじめ指定したスケジュールに沿って、スケーリングアクションが実行されるように指定することが可能である。スケーリングアクションが有効になる時間と、最小/最大サイズ希望するサイズを指定する。このスケジュールは、1回のみ実行することも定期的に実行することもできる。

スケジュールされたスケーリングを作成する場合、ほとんどの場合指定した時刻から数秒以内に実行されるが、最大2分ほど遅れる可能性もあるので留意が必要である。また、複数のスケジュールを同時刻に設定することはできない。

動的スケーリング

動的スケーリングは、以下の方法をサポートしている。

ポリシー名 トリガおよび動作
Target tracking scaling 特定のメトリクスのターゲット値を維持するようにスケーリング
Step scaling 複数のスケーリング調整値をトリガにスケーリング
Simple scaling 1つのスケーリング調整値をトリガにスケーリング

Simple scaling および Step scaling

トリガに基づいてスケーリングが実行される際には、以下の調整タイプに基づいてスケーリングが実行される。

調整タイプ 動作
ChangeInCapacity 指定した数だけ増減する
ExactCapacity 指定した数になるように増減する
PercentChangeInCapacity 割合指定する

また、Step scalingの場合は、新しく起動されたインスタンスがAuto Scalingグループに追加されるまでの待ち時間(ウォームアップ)を指定できる。

SQSに基づくスケーリング

SQSにキューが積み上がり、処理が遅延することがないようにするには、 SQSのデータを読み取り処理を行うEC2をAuto Scalingさせる必要がある。このAuto Scalingを適切にスケーリングさせるためには、 Amazon SQS メトリックスApproximateNumberOfMessagesを用いてキューの長さを測定した上で、1インスタンスあたりの処理能力を計算しどの程度スケーリングさせる必要があるか指定する。

SQSに基づくスケーリング

クールダウン

メトリクス値が短期間で増減し、その度にスケーリングが実行されることを防ぐために、クールダウン期間が設けられている。デフォルトのクールダウン値は300秒。クールダウン期間は新たなスケーリングは実行できない。なお、このクールダウンが有効なのは、Simple scalingのみ。

インスタンスの停止

スケールイン時に停止されるインスタンスは以下の条件で決定される。

  1. インスタンスが最も多いAZ
  2. 最も古い起動設定またはテンプレートを使用している
  3. 次の課金開始時間に近いインスタンス

終了時ポリシーはカスタマイズが可能である。また、終了から保護するインスタンスを指定することもできる。

ポリシー名 実行内容
OldestInstance 最も古いインスタンス
NewestInstance 最も新しいインスタンス
OldestLaunchConfiguration 最も古い起動設定のインスタンス
ClosestToNextInstanceHour 次の課金開始時間に近いインスタンス
Default デフォルト(上記)
OldestLaunchTemplate 最も古い起動テンプレート
AllocationStrategy オンデマンド/スポットの割り当て戦略に合わせて決定

ライフサイクルフック

インスタンスの起動時もしくは削除時に一時停止して、カスタムアクションを実行できる機能。ソフトウェア等をインストールできる。

ライフサイクルフック

スケーリングプロセスの中断と再開

スケーリングプロセスの1つ以上を停止し、あとで再開できる。

スケーリングプロセス 内容
Launch インスタンスを追加
Terminate インスタンスを削除
HealthCheck ヘルスチェック
ReplaceUnhealthy 異常なインスタンスを削除し代替インスタンスを作成
AZRebalance AZ間のバランスを調整
AlarmNotification CloudWatchからアラーム通知を受け取る
ScheduledActions スケジュールされたアクションを実施
AddToLoadBalancer ELBに追加

注意事項

Auto Scalingは、バーストトラフィックには対応できない

AWS CloudFormation(1)CloudFormationの概要

CloudFormationについて

使用するAWSの全てのリソースをテンプレートに記述することで、これらのリソースのデプロイや設定を自動で行なってくれるのが、AWS CloudFormationである。テンプレートは、JSONもしくはYAML形式で記述できる。CloudFormationは、既存のテンプレートを作成または変更、削除することが可能であることから、作成済みのリソースの変更や複製も容易である。変更時には履歴が残るため、過去に遡って変更点を確認することもできる。

テンプレートとスタック

テンプレートには、リソースのデプロイ時に値を手動入力できる入力パラメータを設定することができる。このテンプレートを適用したリソースの集合体をスタックと呼ぶ。スタックおよびリソースに変更を加える際に、既存のリソースにどのような影響があるかを事前に調べるために、 変更セット(Edit Template) を記述することもできる。

変更セットのデプロイ

AWS(5)セキュリティのベストプラクティス

概要

偶発的もしくは意図的な盗難漏洩不整合削除からミッションクリティカルな情報を保護するために、Information Security Management System (ISMS)を作成するためのガイドライン。

責任共有モデル

AWSでは、AWS が安全なインフラストラクチャとサービスを提供する一方で、ユーザは安全なオペレーティングシステム、プラットフォーム、データを用意する責任を持つ責任分担モデルを採用している。例えばEC2の場合は、設備やハードウェアの物理的セキュリティ、ネットワークインフラ、仮装化インフラはAWSが管理する一方で、AMI、OS、アプリケーション、データ、認証情報等は、ユーザ自らが管理しなければならない。

インフラストラクチャサービスの責任共有モデル

Trusted Advisorの利用

Trusted Advisorを利用してサービスの状況を確認し、セキュリティの設定ミスシステムパフォーマンスの向上に関する提案使用率の低いリソースの確認などを行うことができる。例えば、管理ポートへのアクセスが限定的なものであるかや、IAMが設定されているか、MFAが有効化されているかなどが確認できる。

アセット

ISMSを設計する前に情報アセットを特定し、これらを保護するために必要なソリューションを技術面とコスト面から検討する必要がある。アセットは、業務の情報やプロセスなどを含む本質的な要素と、ハードウェアやソフトウェア、人員などを含む本質的な要素をサポートする要素の2つに大別される。

アセットの例

アセット名 アセットの所有者 アセットカテゴリ 依存関係 コスト
顧客向けアプリケーション eコマースチーム 必須 EC2, RDS…
AWS Direct Connect 最高情報責任者(CIO) ネットワーク ネットワーク運用, Direct Connect

これらのアセットを保護するために、情報セキュリティマネージメントシステム(ISMS) の実装、運用、モニタリング、確認、保守、改良に関する基準を定める必要がある。このとき、ビジネスニーズや目標、プロセス、組織の規模や構造などを考慮して基準を定める。ISMSの設計には、ISO27001 などの標準的なフレームワークを参考にすると良い。

段階 内容 詳細
1 スコープと境界の定義 スコープに含めるリージョン、AZ、リソース等を定義する。除外するリソースがある場合はその除外理由を明記する。
2 ISMSポリシーの定義 情報セキュリティの方向性と指針、法律や契約の要件、リスクの評価方法や承認方法
3 リスクの評価方法の選択 ビジネスニーズ、セキュリティ要件、IT機能と要件、法規制
4 リスクの特定 アセットとアセットに対する脅威を記した登録簿の作成、脆弱性とその結果
5 リスクの分析と評価
6 リスクへの対処 リスクを受け入れる、回避する、リスクレベルの査定
7 セキュリティコントロールフレームワークの選択 ISO 27002、NIST SP 800など
8 マネジメントによる承認の取得 残留リスクの報告と承認
9 適用宣言書の作成 選択したフレームワーク、導入済/予定のフレームワーク、除外したフレームワークとその理由

AWSアカウント

AWSアカウントは非常に強力な権限を有するので日常的な使用はせず、極力IAMユーザを使用する。またIAMユーザは、(特定のグループに所属するIAMユーザが1名だけであった場合でも)IAMグループを利用し、またきめ細やかに権限を付与し、タスクに必要な最小限のアクセス権限を付与する。また、AWSのアカウントは、セキュリティの観点から単一アカウントで処理する、開発ステージごとにアカウントを分割する、などビジネスやガバナンスの要件を満たすように設計することが必要である。AWSアカウントを複数有する場合は、一括請求アカウントを利用することで、管理の複雑さを低減し、スケールメリットを享受することができる。

アクセスキーを利用する場合は、定期的に更新を行う。また、IAMユーザの認証にはMFAの併用が望ましい。複数のAWSアカウントを横断的に利用する場合には、クロスアカウントアクセスの利用も検討する。社内に既にディレクトリサービスを有する場合には、IDフェデレーションの利用も可能である。EC2から他のAWSリソースを利用する場合はIAMロールを使用する。

データの保護

リソースへのアクセス保護

リソースへのアクセスは、各リソースを作成したユーザが他のユーザに対してアクセスを許可するリソースポリシーと、IAMユーザやIAMグループを使用して付与される機能ポリシーのいずれかを単独でもしくは組み合わせて使用する。

保管時のデータ保護

以下の課題を考慮して、データの保護を行う手法を検討する

  • 偶発的な情報開示や漏洩
  • データの不整合や不正な書き換え
  • 過失による削除
  • システム障害や災害に備えたシステムの可用性

S3におけるデータ保護

  • アクセス権限の付与
  • バージョニング
  • レプリケーション
  • バックアップ
  • サーバサイド暗号化
  • クライアントサイド暗号化

EBSにおけるデータ保護

  • レプリケーション
  • バックアップ(スナップショット)
  • 暗号化

RDSにおけるデータ保護

  • 暗号化関数の使用
  • アプリケーションレベルの暗号化

Glacierにおけるデータ保護

  • サーバサイド暗号化
  • クライアントサイド暗号化

DynamoDBにおけるデータ保護

  • Base64エンコード

EMRにおけるデータ保護

  • S3のサーバサイド暗号化
  • S3のクライアントサイド暗号化
  • アプリケーションレベルの暗号化

伝送中のデータ保護

以下の課題を考慮して、データの保護を行う手法を検討する

  • 偶発的な情報開示や漏洩
  • データの不整合や不正な書き換え
  • なりすましや中間者攻撃

伝送中のデータを保護するために、AWSではIPSecSSL/TSLをサポートしている。また、Remote Desktop Protocol(RDP)の使用やSSHの使用も有効である。

S3へ伝送中のデータ保護

  • SSL/TSLを用いた通信

RDSへ伝送中のデータ保護

  • SSL/TSLを用いた通信
  • X.509証明書

DynamoDBへ伝送中のデータ保護

  • HTTPSの利用

OSとアプリケーションのセキュリティ保護

OSとアプリケーションのセキュリティを保護するためには以下が奨励される。

  • ルートアクセスキーとシークレットキーの無効化
  • IPアドレスを限定したインスタンスへのアクセス
  • pemファイルのパスワード保護
  • ユーザの管理
  • 認証情報の更新
  • IAMユーザのアクセス権を定期的に管理

AMIを公開する場合は、認証情報をOS上から消去しておくなど、セキュリティ面には十分注意する。

万が一、OS等への侵入が確認された場合に、根本的な原因追求を行うためにフォレンジックを行う。

ブートストラッピング

PuppetやChefなどを利用してセキュリティプログラムの更新や、パッチの適用、ステージに合わせた環境設定の実行、リモートモニタリング等を実施する。

マルウェアからの保護

信頼できないAMIやコードは実行しない。また、信頼できないソフトウェアリポジトリも使用しない。ユーザに付与する権限は必要最小限とし、ウイルスおよびスパム対策ソリューションを必ず利用する。

その他の対策

  • ベンダー指定のデフォルト値を削除する
  • 不要なユーザを無効化する
  • EC2に複数の機能を持たせない
  • 必要なサービスやデーモンのみ有効化する
  • 不要な機能やWebサーバは無効化する

インフラの保護

インフラを保護するためには以下を行う。

VPCの利用

VPCを利用することで、AWSのパブリッククラウド内にプライベートクラウドを作成できる。他のAWSユーザからリソースを隔離できるということだけでなく、インターネットから隔離することもできる。また、IPSecやDirect Connectを利用することでオンプレミス拠点とAWS間をセキュアに接続することも可能である。

セキュリティグループやNACLを使用することで、セキュリティゾーニングを実現することができる。この際に、セキュリティゾーン間の通信を制御するかゾーン間の通信をモニタリングするかゾーンごとにアクセス権限を付与するか、などを検討する必要がある。

セキュリティのテスト

セキュリティコントロールとポリシーの有効性を定期的にレビューする。新しい脅威や脆弱性に対処するためには、外部脆弱性評価外部侵入テストアプリケーションとプラットフォームの内部グレー/ホワイトボックスレビューを行う。なお、侵入テストを行う場合には、AWSにリクエストが必要な場合がある。

メトリクスの管理と向上

有効性の測定を行う上では、メトリクスの利用が有効的である。

  • 手順のモニタリング
    • 処理結果からエラーを迅速に検出する
    • セキュリティ侵害やインシデントに迅速に対応する
    • セキュリティアクティビティが想定通りに実行されているか判断する
    • セキュリティイベントを検知してインシデントを防止する
    • 対処が効果的であったか判断する
  • ISMSの有効性のレビュー
    • セキュリティ監査、インシデント、有効性測定
    • 関係者からの提案およびフィードバック
    • ポリシーが目的に合っているかの確認
  • 有効性の測定
    • セキュリティ要件を満たしているかどうか
  • 定期的なリスク評価レビュー
    • 残留リスクの許容可能なリスクのレビュー
    • 法改定など外部イベントに適しているか
  • 内部監査
  • 定期的な管理レビュー
    • スコープが適切か
  • セキュリティ計画の更新

DoSおよびDDoS攻撃の緩和と保護

DoSおよびDDoSについて懸念がある場合には、AWSのサポートの契約が望ましい。サポートに契約することで、AWSがDoSおよびDDoS攻撃の事前および事後にサポートを提供できる。AWSは、トラフィックが攻撃によるものかは判断できないために、アクティブに対処することはしない。これらの攻撃に対処するためには、以下の手法を検討する。

  • セキュリティグループやNACLの使用
  • WAFの使用
  • レート制限
  • ハーフオープンセッションの制限

モニタリングと監査、インシデント対応

ログファイルを蓄積することで、適切なモニタリングとて監査、インシデント対応を行うことができる。

エリア 考慮事項
ログ収集 収集方法に注意する
ログ転送 ログファイルを安全、確実、タイムリーに転送する
ログストレージ 一元管理し分析を行う
ログ分類 分析に適した形式
ログ分析 ログファイル内のイベントを相互に関連付ける
ログの保護 改ざん等を防ぐ