Elemental MediaConnect
AWS Elemental MediaConnectは、IPネットワークが持つ柔軟性、機敏性、経済性と衛星やファイバーが持つ信頼性、セキュリティを兼ね備えた ライブ動画伝送サービス 。クリティカルなライブ動画のワークフローを構築可能で、遠隔地からの動画を取り込んで共有したり、動画ストリームを複製したりすることができる。これにより、リードタイムが長く俊敏性に欠ける衛星やファイバー等を使用することなく、動画の伝送を行うことが可能となる。また、柔軟に開始や停止を行うことができる。
主な特徴
MediaConnectの主な機能は、以下の通り。
- Zixi, RIST, RTP などの 標準プロトコル をサポート
- End-to-End の AES暗号化
- 顧客やパートナーとの素材の共有が可能
- メトリクスによるモニタリング
- 単独利用も他のElementalサービスとの連携も可能
料金
アクティブなリソース と データ転送量 に対して課金される。長期契約が必要な割引体系も存在する。
ユースケース
MediaConnectの主なユースケースは以下の通り。
コントリビューション
オンプレミスからクラウドへコンテンツを取り込む ことができる。入力にオンプレミスのエンコーダ、出力にAWSのエンコーダを指定することができる。
ディストリビューション
コンテンツを複数の異なる場所に配布 することができる。MediaConnectを数珠繋ぎで接続することもできる。
エンタイトルメント
他のAWSアカウントに対して出力することができる。これにより顧客やパートナーとコンテンツを共有することができる。なお、共有することができるのは、 同じリージョン内 のリソース間のみ。
設定
フロー
MediaConnect を利用する際には、まず フローを作成 する。フローで設定する入力は、 Standard, VPC, 他のAWSアカウントの入力 から選ぶことができる。プロトコルは、 RIST, RTP, RTP FEC, Zixi から選択できる。
プロトコルに RTP FECを選択した場合、 インジェストポート には指定したポートに加えて、 エラー訂正のためのポートを2つ指定 する必要がある。MediaConnect は、指定したポート+2 および +4 のポートをこのために自動的に利用する。
プロトコル
Zixi は、長距離を含むほとんどのユースケースに使用できる高可用性プロトコル。pull/pushの指定が可能。 RIST は、長距離アプリケーションに適した高可用性、低遅延のプロトコル。MediaConnectは、 暗号化されたRISTはサポートしていない。RTPは、FECを仕様した場合、破損やパケット損失を修復できる。FECを使用しない場合は、帯域幅を節約できる。
入力
フローには、1-2つの入力を設定する。入力を2つ設定した場合には、フェイルオーバが可能で、MediaConnectは 両方の入力をプライマリとして扱う 。フェイルオーバを設定する際には、 リカバリウインドウ を指定する必要があり、 デフォルト値は 200msec である。
出力
フローごとに50個まで出力を指定することができる。 出力では、プロトコル, IP 等を指定する。出力できるプロトコルは入力と同じく、 RIST, RTP, RTP FEC, Zixi 。外部のIPに対して、もしくは指定したVPCのIPに対してコンテンツを出力する。
エンタイトルメント
既存のフローにエンタイトルメントを付与して、コンテンツを別のAWSアカウントと共有することができる。エンタイトルメントを付与する場合は、 相手のAWSアカウント や 受信者に転送料金をどの程度負担させるか , 転送時の暗号化の有無 などを指定する。
コンテンツの配信
異なるリージョン間のMediaConnect間でコンテンツを転送する場合は、 Zixiプロトコルを指定 して転送を行う。また、 MediaLiveに対してコンテンツを転送する場合 は、冗長化のために同一リージョン内で2つのフローを設定 した上で、 MediaLive側でMediaConnectのARNを指定 する。
ベストプラクティス
AWS ElementalMediaConnectのベストプラクティスは、以下の通り。
- FECやARQを利用 してパケット損失を最小限にとどめる。
- 異なるAZ 上にフローを作成、もしくは 複数の入力を指定 するなどワークフローを冗長化
- CloudWatch メトリクス および アラームの活用
- CIDRブロックの厳格化